アメリカの大統領選挙が終わりましたね。
今回もドナルド・トランプ氏が銃撃されたりと、事件に事欠かない大統領選だった印象があります。
ところで、今回の大統領選挙はこれまでで最もAIが利用された(情報収集など)選挙と言われています。
そんな中、OpenAIは
「OpenAI has stated that it told around 2 million users of ChatGPT to go look somewhere else」
「約200万のChatGPTユーザーに対して、選挙情報に関して他のソースを見にいくようにと回答した」
と報じられています。
選挙情報に関する質問に対して、他の信頼に足るニュース情報を勧め、自身による直接の回答は避けたという形です。
やはり選挙関連のディープフェイクや、人々を特定の方向に扇動する嘘の情報などは、民主主義を前提にした選挙では非常に危険な要素になります。
AIのハルシネーション(全くの空想の内容を事実かのように語る現象)によってこうした選挙への悪影響が蔓延しないよう、OpenAIは最新の注意を払っていたのだと思います。
OpenAIはアメリカ大統領選挙に対する取り組みの内容をわざわざ公式サイト↓で発表していたほどであり、その取り組みの真剣さが伺えます。
選挙に対してOpenAIとある意味対照的な姿勢を見せたのが、AI検索エンジンのPerplexityでした。
PerplexityはPerplexity AIで、選挙情報を追跡できる選挙情報ハブを公開しました。
選挙に関する様々な情報を、AIが必要に応じてまとめ、要約して教えてくれるという代物です。
この選挙情報ハブは、現時点で約400万PVを獲得しているそうです。
このように大統領選に積極的にAIを推進していくPerplexityの姿勢は、慎重な方針を取っていたOpenAIと比べて非常に対照的ですね。
AIによる情報の検索、および要約と回答の正確さに、Perlplexityはすごく自信があるように感じます。
ただOpenAIも、最近ChatGPT searchという検索サービスを発表し、Perplexity AIと同様に最新情報のWEBブラウジングにもとても強くなってきています。
この調子で検索サービスの強化が続けば、OpenAIもそのうちPerplexityのように、選挙などの重要な局面でAIを積極的に押し出すという姿勢に変わっていくかもしれません。
OpenAIのように慎重な考えとPerplexityのように積極的な考え、
どちらが正しくてどちらが間違っているというのはないと思います。
重要なのは、AIを利用するユーザーがそのメリットとデメリットを正しく理解し、正しく活用するということに尽きると感じます。
そういった意味では、AIサービス各社がAIに対する異なった姿勢、考えを表明するというのはとても良いことなのではないでしょうか。
そういったいろいろな異なる考えに触れることによって、ユーザーはその特性を理解しようという気になると思うので。
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